「3月のライオン」で考える いじめのこと~動きたくても動けないのはなぜ?~
scene 01 マンガを元にいじめについて考える
将棋(しょうぎ)の世界をえがいたマンガ『3月のライオン』。プロ棋士(きし)として戦う男子高校生の成長物語ですが、実は作品の中ではいじめになやむ人々の姿もえがかれています。そこで今回、マンガを元にいじめについて考えようと、中学生たちに読んでもらいました。いじめにあうのは主人公が親しくしている中学生、ひなた。きっかけは幼なじみのちほがいじめにあっていたことに気づいたことから。そんな様子をクラスメートは見て見ぬフリ。そして不登校になったちほはとうとう転校してしまいます。加害者たちに一人立ち向かっていくひなた。しかし、今度はいじめの矛先(ほこさき)がひなた自身に…。
scene 02 「後悔なんてしちゃだめだ」に共感
「『後悔(こうかい)なんてしちゃだめだ。私のしたことはまちがってない』っていうところがすごい。同じ場面にいたら絶対言い切れないから。すごい尊敬します」「そこだよね!」。――みんなが共感したのは、いじめられても友だちをかばったことを後悔しない、ひなたの姿。「たとえば、君らがひなちゃんだったらどうした?」と先生に聞かれ、「一人で戦わなかったかもしれない」「自分一人だけって、すごいこわくない?」「ずっと孤立した状態はこわい」…。みんな、ひなたみたいに動きたいと思っても、動けないのはなぜ? みんなもいっしょに考えてみてください。
scene 03 「教室内の上下関係」はだれが決める?
「リーダーみたいな存在の子が『あの子ヤダよね』って言ったら、みんな『そうだね』って」「思ってなくてものっちゃうよね」「とりあえず自分がハブられないように」。動きたくても動けない理由の一つに上がったのが、教室内の上下関係。マンガの中でも、ひなたからこんな問いかけがありました。『何かクラスの中に見えない階級とかがあって、その階級にあわせて、「どのくらい大きな声で笑っていい」とか、「教室の中でどのくらい自由に楽しそうにふるまっていい」かが決められてるみたいな。…誰がえらくて、誰がえらくないって、いつどうやって決まるの?』。「男女仲良くワイワイやってる子がいて、それを『うらやましい』って思う子がその子に続いていく。だからトップのチームができちゃうんじゃないかな」。
scene 04 「同調しない」こと
高橋さんは、教室内の上下関係ってどうやって決まると思いますか。「そのクラスになって1、2か月くらいでパワーバランスってわかってくるじゃないですか。あのグループ異常に言葉強いなとか、先輩にお姉ちゃんがいるらしいとかありますよね。その強めな子たちが何か言ったことに対して同調してしまったら、徐々に育っていっちゃうんですよ、ピラミッドの女王が。育てていくのはきっと、『そうだね』って言うまわりの人だと思うので、それに対して『ふーん』と言っとけばその勢力は強まらないわけだから、『同調しない』というのが大事ですかね」(高橋さん)。でも、それができないからみんななやんでいた…。
scene 05 「明るく、元気、友だちたくさん」は…
どうして同調してしまうのか考えるヒントにと、先生はこんなことを話し始めました。「小学校、幼稚園のころから学校の先生がさんざん言ってきた、『明るく』『元気』そして『友だちたくさん』。じゃ、その逆は?」。先生が黒板に書きます。『暗い』『おとなしい』『友だちが少ない』。そして、「そんなにいけないことなんですかね」と言いました。すると、「ありだと思う」「それも個性」とみんな。「さんざん『明るく』『元気』『友だちたくさん』と言ってきた。そうすると、いつの間にか教室にだれかが君臨(くんりん)するようになる。そして、たいがいこの人は明るくて面白い。ウケる場面があるから、教室を明るくしてくれているようにみんなが錯覚し始める。そういうことってない?」と先生。
scene 06 「なんでもいいじゃん!」ぐらいがいい
「先生たちも作ってきてしまったかもしれない、と先生が言えるのはすごい勇気だなと思います。『明るく』『元気に』『友だちたくさん』。それが勝手に定義になってきてますよね。『じゃ、そうじゃない子は何なんだ』と言ったときに、『みんな個性だよね』とわかってはいるんだけど、何か正しいものがそちらに向いてしまっているというのが、動けなくもなるし、競争の中で自分の立場が低いと思ってしまう理由なんじゃないかな。だから自分の考えを変えることで、『そうじゃないじゃん!』って言う。『明るくても暗くても』とか、『なんでもいいじゃん!』ぐらいのほうがよかったんじゃないかな」(高橋さん)。
scene 07 動きたくても動けない理由がほかにも
学校も生徒自身も、これまでとらわれてきた考えを変えることが、きっかけになるかもしれない。なるほど。実は高橋さん、「動きたくても動けない理由がほかにもある」と話してくれた子がいたのです。――「最初はホントに小さいグループに分かれてる部活で、奇数チームなので、どうしても一人になっちゃう子とか、トラブルがあったときに一人になる子が絶対いて…」(はるなさん)。はるなさんが語ってくれたのは、中学1年生のときの部活での出来事。そのとき動けなかった理由とは?
scene 08 人柄も状況も知らなかったから
「知らない人どうしのケンカに、知らないウチが入ってもどうにもならない。どういう状況でそこにいたったかわからないのに、ウチがどうこう言う問題じゃない。どういう人か知らないから、返事がどう返ってくるのかわからない。『ごめんね』で返ってくるのか、逆に強い言い返しをされるのか」(はるなさん)。――「人柄も状況も知らないから動けなかった」と話してくれたはるなさん。しかし、ある人が行動を起こしたことで解決したと言います。「すごくいい機会だった」。一体、だれがどんなことをしたのか、みんなも考えてみてください。続きは番組ホームページ、『みなみの考え』で!