◆第18回札幌全国集会の要綱 (敬称略)
日時: 2012年1月29日(日)午前9時半〜 午後4時〜デモ
会場: 北海道クリスチャンセンター 資料代 1000円
*基調報告 ピリカ全国実行委員会全国運営委員会
*メインゲストからの問題提起
・川村シンリツ エオリパック アイヌ
(アイヌ民族・旭川アイヌ協議会会長、「北大人骨問題の真相を究明する会」共同代表、
川村カ子トアイヌ記念館館長)
・貝沢耕一(アイヌ民族・二風谷在住 NPO法人チコロナイ代表)
・まよなか しんや(「アイヌ民族と連帯する沖縄の会」共同代表)
・海原 剛(北大人骨事件真相究明緊急会議、史的唯物論研究所)
*発言予定
・石井ポンペ(アイヌ民族・「原住、アイヌ民族の権利を取り戻すウコチャランケの会」代表)
・アト゜イ(アイヌ民族・屈斜路湖畔在住・作曲家)
・平田 幸(アイヌ民族・「レラの会」代表代理)
・岩渕一磨(アイヌ民族・釧路在住)
・森山軍治郎(大学教官、「北大人骨問題の真相を究明する会」共同代表)
・中川行夫(「障害者」解放運動)
・集会宣言採択
・ミニライブ
集会スローガン:
・北方諸島・南西諸島の軍事的緊張をゆるすな!
・アイヌ政策推進会議路線反対!謝罪と賠償ぬきの「慰霊・研究施設」建設阻止!
・大学、研究施設のアイヌ民族遺骨略奪糾弾!
・形質人類学・石田鑑定報告を弾劾せよ!
・アイヌ民族と共に泊原発を廃炉に!大間原発・幌延核廃棄物処分場の建設を許すな!
・沖縄人民と連帯し天皇の訪沖を許すな!
呼びかけ
全国の会員、仲間のみなさん! 第18回札幌全国集会は、標記テーマをかかげ、アイヌ民族、琉球民族、在日朝鮮人、日本労働者・人民がそれぞれの立場から問題提起を行い、活発な議論と交流をもち、連帯を深めていくことで、闘いに向けた力を結集する集会にしたいと思います。
「北方領土の日」の廃止を!
アイヌ民族を無視した2月7日「北方領土の日」が近づいています。日ロ両政府はこの間北方諸島をめぐって、領土ナショナリズムを前面に押し出し排外主義の煽動を行なっています。本年6月ロシア副首相の「平和条約なしでもやっていける」「領土問題はない。解釈があるだけ」という発言に対し、8月に前原外相(当時)がビザなし交流でエトロフ島を訪問するなど、日ロ両政府が「領土」をめぐるかけひきを続けています。「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を国会であげながら、アイヌ民族を無視したこのような「領土交渉」は、泥棒同士の争いでしかありません。私たちは、「北方領土の日」の廃止と「領土交渉」の中止を求め、何よりも北方諸島に先住していたアイヌ民族の先住権・民族自決権を支持する訴えを強めなければなりません。
謝罪と賠償なき「慰霊・研究施設」建設反対
現在野田政権は、アイヌ民族に対する最終的な同化完了宣言にも等しい政策を押し進めています。政府・アイヌ政策推進会議は「北海道外アイヌの生活実態調査」において、「和人の養子」や「和人の配偶者」をアイヌ民族から排除するという、許されざる差別を行ないました。民族を血統によってのみ分類し、アイヌ民族として生きている人々のアイデンティティを冒涜する行為です。また、「慰霊・研究施設」を中軸とする「アイヌ文化復興等に関するナショナルセンター」は、白老町ポロト湖畔に決定され建設にむけての準備を進めています。「慰霊・研究施設」建設はアイヌ政策推進会議にアイヌ民族をとりこむことで、同化政策を民族の要求としてよそおい推進しています。しかしアイヌ民族の遺骨を1ヶ所に集めた研究施設は、これまでアイヌ民族同化抹殺攻撃を担ってきた文化人類学者をはじめとした「アイヌ学者」たちのための国家的な研究機関となることは明らかです。
このような状況下で、北大は私たちが求めるチャランケの要求を無視し、このまま北大人骨事件の幕引きをはかろうとしています。北大は、アイヌ民族の969体の遺骨を「資料保存庫(アイヌ納骨堂)」に閉じ込め、これまで自らが行なってきた研究に無批判のままであり、問題の本質を押し隠しています。私たちは北大人骨事件を北大総体の問題とし、さらに医学部の「資料保存庫」の遺骨や、旧帝国大学を中心にした各研究機関にとらわれたままの遺骨を謝罪と賠償を行なわせコタンに返還させなければなりません。それはまさしく、歴史の真実を明らかにする闘いであると言えます。
日米両政府の沖縄軍事植民地化を許すな
一方野田政権は、沖縄(琉球)の求める一括交付金をちらつかせながら、米軍基地受け入れを認めさせようとしています。田中沖縄防衛局長(当時)の11月30日の女性差別・沖縄差別発言は、長きにわたる米軍の性暴力被害の実態に無自覚であり、沖縄の怒りは再度爆発しています。にもかかわらず田中局長の更迭で問題の幕引きをはかり、沖縄人民の「理解を得て」と言いながら、12月1日の外務・防衛省の審議官級会議ではアメリカに約束履行を表明しています。
野田政権は「日米同盟の深化」をうたい上げ、「中国脅威論」を扇動して南西諸島への自衛隊配備を打ち出しています。これらはさらなる琉球侵略と言わざるを得ません。私たちは即時、米軍・自衛隊を含むすべての基地の撤去を求めます。そして、琉球弧を本当の意味での平和の島々にし、琉球民族の手にとりもどせるよう、共に闘わなければなりません。
私たちは、札幌全国集会において「北方領土の日」反対!北大人骨事件糾弾!アイヌ新法実現!を掲げて闘います。そして、「慰霊・研究施設」建設阻止の闘いと一体化した、北大・東大・京大・阪大などの遺骨収集と差別的研究を弾劾する全国運動の構築をめざします。引き続き、沖縄人民と連帯し、辺野古への米軍新基地建設を阻止し、自衛隊の配備反対、2012年天皇訪沖反対の声をあげましょう。
札幌全国集会とともに、2月、東京、大阪、沖縄の各地域にて「北方領土の日」反対!アイヌ民族連帯集会を取り組みます。みなさんの賛同と集会への結集を呼びかけます!
2011年12月15日
「北方領土の日」反対!アイヌ新法実現!全国実行委員会 (略称・ピリカ全国実)
連絡先/電話011-375-9711
糾弾ニュース26号 2011年11月1日発行
北大人骨事件とノーベル賞 高橋 勇(ピリカ全国実札幌圏)
昨年、鈴木・北大名誉教授がノーベル化学賞を受賞した。全く異質の物質を化学的に結合して新たな性質の物質を作りだすカップリングと言う化学技術が人類にとって最も重要な発見または改良として認められたという。但しこの技術はこの化学者が40年前に研究開発したものだという。それが昨年になって認められたというわけだ。
北大は開学以来初のノーベル賞受賞ということで北大博物館に受賞した化学者の特別展示室を作ったり、胸像を作ったりとおおわらわだ。大学が国立大学法人化され学問より効率と経営が優先される時代、大学の名を上げるにはまたとない機会なのだろう。いまや日本のノーベル賞受賞者は20名位になるのだろうか。ただしノーベル賞そ
のものには政治性も付きまとっていると言われている。ともあれ北大にとっては明るい話題に違いない。
私たちは1995年に北大の古河講堂からアイヌ民族によって6体の頭骨が発見されて以来、山本一昭代表を先頭にアイヌ民族・在日朝鮮人・ウイルタ協会の方々と共にこの問題を糾明するために北大文学部にチャランケ(論争)を挑んできた。その間北大の戦前からつながるさまざまな問題点が明らかになった。植民学、人種学などアイヌモシリ侵略と民族差別を正当化し台湾、朝鮮、サハリンなどの植民地配、中国への侵略と満州国のでっち上げにつながる研究と学問が行われていて、いまだに自己批判すらされていないこと。医学者・児玉作左衛門などの研究と称するアイヌ墓地の盗掘。埋葬直後の遺体の略奪など信じられない行為が明らかになった。北大建学の祖である新渡戸稲造などは北大における植民学、人種学の祖でもあった。これらの学問研究が東大、京大、金沢大、九州大など帝国大学の学者たちを集めた第八小委員会の差別的アイヌ研究となり、北大の医者たちが731部隊に合流して行く背景となったのだ。
またアイヌ民族の病歴など実名入りで書かれた本を復刻出版した河野本道に対する糾弾の裁判闘争もこのような闘いの一環だった。
北大人骨事件を追及し続けるぞ!(ピリカ実関西会員/市川平)
北大は人骨事件の真相を究明しようとしていません。その行為は、日本帝国主義がアイヌ民族を始め、アジアや先住諸民族に行ってきた侵略・戦争責任の歴史を隠蔽することでしかありません。大学の研究室で頭骨を計測し、DNA鑑定をして何がわかるというのでしょうか。人骨が生きた証しを語ってくれることなどありません。北大の人権侵害に怒りしかありません。
北大人骨事件を考えながら、1975年に出版された「部落解放と全人民の解放を にんげん」(解放学校用)を読みました。文字が書けない、字が読めないということを取り戻すことが、被差別部落民の人間宣言となり、差別の根源が資本主義社会にあること、差別社会の横暴を許さない闘いをしていることがほとばしっています。自分の生きてきたことを文字に綴り、語ることで社会を変えることができると確信していることが伝わってきます。
この本を読んでいて、私のばあちゃんのことを想いました。東京で15年一緒に暮らしましたが、ばあちゃんの生きた81年の歴史をほとんど知らなかったとつくづく思いました。文字が書けない、字が読めないことが、社会生活をするうえでどれだけ困難なことなのかを全く知らないで過ごしてきた私が、天皇制国家日本の戦争に継ぐ戦争の時代を生きてきたばあちゃんのことを知らないのはあたりまえでした。
私の記憶にある、ばあちゃんのことについて触れてみたいと思います。ばあちゃんは、新潟県三島郡和島村(現長岡市)にある農家に1880年生まれ、育ちました。
私は小、中学の夏休み、ほぼ毎年ばあちゃんの実家に行っていました。実家の人から貧乏で人減らしのために、東京に出て女中奉公するしかなかったと聞いています。つれあいになったじいちゃんは酒飲みでほとんど仕事をせず、子供(私の父ですが)の奉公先に行って給金を取り上げて、数日間で酒に使い切ってしまう大酒飲みでした。
5年前にばあちゃんの実家を兄と訪れたことがありました。米作地帯の風景はそのままでした。ばあちゃんの生きた証しの手掛かりを知るためにもう一度訪れて見ようと思っています。
人と人との関係は極めて具体的なものです。社会的、歴史的関係を抜きに語ることはできません。北大が人骨を「研究材料」とするのは人権蹂躙です。私たちは、北大をはじめ帝国大学にある盗掘、略奪した人骨のすべてを解放する闘いを開始しなければなりません。そのために私は闘い続けます。