ホスト同士が集まるフェイスブックやライングループも存在し、規模の大きなものでは3500人のグループもあるという。ネット上のやり取りにとどまらず、実際に顔をあわせる交流会もあり、「実は防衛庁勤務です」とか「旅行会社で働いています」といった会話が飛び交っているという。
グループの主催者の中には、民泊ブローカーのような動きをする者もいる。「買いたい」人と「売りたい」人を結びつけ、宅建業者から紹介料やバックマージンをもらうというやり方だ。
そして彼らは、何でも「ビジネスチャンス」に変える。
たとえば、京都市は2017年度、違法民泊の指導を強化すると発表した。
訪日外国人による騒音やごみ問題が急増し、住民の不満が膨らんでいることから、実態を調査し取り締まるために1880万円、また通報を受けた時の窓口運営費として560万3000円を計上した。
それでも闇で行う民泊は増えており、11月補正予算案では対策の強化として、1700万円の予算を12月8日に議決している。
住民感情はすでに沸点に達しており、新規の民泊許可はおりにくい。そんな状況下で、売り出された民泊が「許可済み」「絶賛稼動中」であるといった謳い文句は、投資家の心を鷲掴みにする。
この心理を巧みに利用しているのが、前述のブローカーたちだ。「許可済み」民泊には、2〜3割のプレミアがついて売買される。中には評価額1000万円の許可済み古民家を、4000万円で売却したケースもあったという。
しかし「許可済み」を購入したからといって、次の所有者が許可を得られるかは、実はまったく別の話だ。
とくに京都市のように取り締まりを強化している地区では、過去に近隣からクレームがあった物件や、築年数を経た既存不適格物件について、次の所有者には許可を出さない事態も相次いでいる。
高値で購入し、結果、稼働もさせられないとなれば、たどり着く先には「民泊心中」もあり得るだろう。実際、来年6月に民泊事業への規制を強化する「民泊新法」(住宅宿泊事業法)が施行されるのを前に、グレーな物件の売り逃げに走るホストも増えている。
使えない物件を「高値で掴まされた」と嘆く一般投資家の悲鳴も、目下急増中だ。
「ふてぶてしい」のは、ホストだけではない。代行会社もまた厄介だ。
この1年で、3万室程だった民泊は、6万室にまで増え、2400万人という外国人旅行者の受け皿として定着してきた。
「暮らすように滞在できる民泊」を求める外国人旅行者は多く、約7人に1人が、日本滞在中、少なくとも1泊は民泊を利用していることが明らかになっている(観光庁訪日外国人消費者動向調査)。利用率に関しては12.4%となり、ユースホテルやゲストハウスを上回る数値である。
このインバウンド狙いの成長市場は、若手起業家たちのアドレナリンをくすぐり、雨後の筍よろしくベンチャー企業が誕生した。わずか1年前まで30社程度だった運営代行会社は、現在250社まで拡大しているという。
しかし、そのうちの8割が「信用できない」と、前述の石井くるみ行政書士はいう。