役員エレベーターと不正発覚の不機嫌な関係

人間だもの、社長さんだって“愚か”になります

2017年12月5日(火)

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 今回は「経営者が経営できなくなる時」というテーマで、あれこれ考えてみる。

 ちょうど2カ月ほど前、大手メーカーに勤務している中間管理職の人たちとちょっとした会合があった。
 参加者は4人。うち2人は海外駐在経験者である。

 会合ではさまざまな情報交換に加え、“無責任な上司”の話で盛り上がった。

 というのも、ちょうど「瀕死の部署を再生したら、左遷されちゃった!」の回を公開した直後で、「あれ、メチャメチャわかります!」と1人が言い出した途端、「うちもうちも!」と“上”への不満が吹き出したのである。

●「うちの会社ってちょっと儲かると、すぐ経営コンサルタントを雇うんです。でも、それって現場には何の役にもたたない。現場、現場で課題は違うし、仕事は常に想定外の連続です。はっきり言って意味ない。意味があるとすれば、効率化とか生産性向上に『ちゃんと取り組んだ』と、上が満足するってことぐらいです」

 「えっと、コンサルにはどれくらい払うんですか?」(河合)

 「正確な数字はわからないけど…、億は払ってますよ」

 「それくらい払ってるでしょうね。うちもこないだもコンサルが入りましたよ。ずっと隣にいるから邪魔でしょうがない(笑)」

存在感ゼロの社長に存在意義はある?

●「今の社長ってやたら数字に強いんですよ。それはそれでいいんですけど、数字のことしか言わないから、何を考えているかのメッセージが全然伝わらない」

 「社長のメッセージって、年頭の挨拶とかそういうのですか?」(河合)

 「毎週、月曜朝に社長から社員全員にメールが届くんですよ。数字ばっかで最後まで読める人、いないと思います。っていうか、読もうって気にもならない」

●「いやいや、うちはメールはないけど社長の顔も見たことないですよ。ホントに存在してるのか? って、部下が疑うほど存在感も影響力もないですから(笑)」

 「うちは逆です。やたらと出たがりで、年頭に役員一同が全国を回って講話するんです」

 「トップが一つひとつの現場に行くだなんて、いい会社じゃないですか!」(河合)

 「でもね、どこに行っても同じことしか言わないし、社員と交流の場もないんですよ。テレビ会議でいっせいにやれば、現場の負担が減るのに~ってみんなグチってますよ」

●「うちは海外の支店を年に1回社長が回るんですけど、国賓並みの待遇で迎えなきゃならない。わけわからないでしょ」(←海外駐在時の話)

 「うちはそこまですごくはないですけど、お付きの人が多すぎ。現地のスタッフは“マイケル!”って呼んでますよ」

 「マイケル??」(河合)

 「マイケル・ジャクソンです(笑)」

 ……etc、etc。

 トップが聞いたら凹んでしまうかもしれないけど、これが“現場の声”です。

コメント8件コメント/レビュー

河合さんが本来の専門領域に復帰されたことを歓迎します。炎上操作よりも安全運転の方が刺激性は無くとも精神衛生上好ましいものと思われます。(面白味は少し欠けますが、、)
″今回の不正発覚問題の原因は、さまざまな専門家の方たちがそれぞれの専門的な知識で説明しているけど、健康社会学的には実にシンプル。
 「“人”であることを忘れた結果」――。と、私は考えている。″
この点について、健康社会学的に"人"であることを忘れたとはどういう意味なのか?また人が人であることを忘れざるを得なくなったすれば、そこにどのような要因、パワー、メカニズムが潜んでいたのか?その上での組織論的な課題は何なのか?等々勝手言って申し訳ありませんが、専門のお立場からもう少し言及していただければ幸甚に思われました。(2017/12/05 10:28)

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「役員エレベーターと不正発覚の不機嫌な関係」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

河合さんが本来の専門領域に復帰されたことを歓迎します。炎上操作よりも安全運転の方が刺激性は無くとも精神衛生上好ましいものと思われます。(面白味は少し欠けますが、、)
″今回の不正発覚問題の原因は、さまざまな専門家の方たちがそれぞれの専門的な知識で説明しているけど、健康社会学的には実にシンプル。
 「“人”であることを忘れた結果」――。と、私は考えている。″
この点について、健康社会学的に"人"であることを忘れたとはどういう意味なのか?また人が人であることを忘れざるを得なくなったすれば、そこにどのような要因、パワー、メカニズムが潜んでいたのか?その上での組織論的な課題は何なのか?等々勝手言って申し訳ありませんが、専門のお立場からもう少し言及していただければ幸甚に思われました。(2017/12/05 10:28)

河合さんはやさしいから経営者への視点も穏やかですが、私は何もせずだから失敗もなかった人間、成功したら立っていて失敗したら逃げるのが得意な人たちが「経営者」になっているような懸念があります。若いときに育ててくれた方々は、(分からなかっただけかも知れませんが)カリスマ的な指導力を持っていたように思います。ところがアナリストとして接した最近の、特に大企業の経営者は、おみこしに乗って失敗を他人に押し付けた(ような)方々が多かった。社員の生の声を聞くと、あながち間違いではない。まあ、運も実力のうちかも知れませんが。若い社員はしっかりしたジョブ・ディスクリプションも与えられず、ゆるいコンプライアンスで「忖度」を求められ、混乱しています。「私たちに何をさせたいのか、何をしてはいけないのか、はっきりして下さい」という声をあちこちで聞きます。一度、企業の不正に直面した管理職の声と若手の声から、私たちにご意見を頂けないでしょうか。(2017/12/05 09:26)

社長がいなくても会社が回る、そんな会社なら、
社長をリストラし、A.I.に社長をさせてみてはどうでしょう?
IoTであらゆる機器からデータを吸い上げられるし、
自動応答ボットを組めば多くの社員の意見も集められる。
集めたビッグデータの分析性能は人間を遥かに凌ぎ、
クラウドを活用すれば“頭脳”は世界中に分散でき、“死ぬ”こともない。
厳格なルールを組み込めば、不法や不当も厳格に止められるので、
社員を過労に追い込むことも防げるでしょう。
A.I.はブラックボックスになる、とよく聞きますが、
いなくてもいい、顔の見えない社長ならブラックボックスと同じですね。
無責任な社長より、よっぽど“良い仕事”、するんじゃないでしょうか?(2017/12/05 08:41)

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