「悪い」仲間意識が不祥事を生み日本を蝕む

不正が始まったきっかけは高度成長の終焉だった

2017年12月1日(金)

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無資格検査問題で謝罪した日産自動車の西川廣人CEO(最高経営責任者)(写真:ロイター/アフロ)

 日本企業の不祥事が次々と明るみになっている。11月28日には東レの子会社が検査データを改ざんしていたという不祥事が発覚した。東芝、日産自動車、神戸製鋼所、スバル、三菱マテリアル、そして東レと日本を代表する大企業で、なぜこんなにも不正やインチキがまかり通るのか。

 中でも大きな話題になった東芝の粉飾決算は、何年間も続けられていたという。こんな不正は、役員が見ればすぐに分かるはずだ。なぜ、社内の人間は「こんな不正は止めよう」と言わなかったのだろうか。

 さらにひどいのは、監査法人までがグルになっていた疑いがあることだ。監査法人というものは、問題を指摘するチェック機関である。その監査法人が不正に荷担すれば、存在する意味などない。

 昔、山本七平という評論家が、「日本は空気の国だ」と言ったことがある。日本には、「空気を乱してはいけない」という風潮があるということだ。つまり、不正が起こっても、社内で「粉飾決算をやめよう」と声を上げれば、逆に左遷させられてしまう。こうして馴れ合いが腐敗に繋がるというわけだ。

 東芝の粉飾決算で深刻な点は、ほかにもある。検察までもが馴れ合いになっていたということだ。東芝の不正を立件しない検察に対し、証券取引等監視委員会の佐渡賢一委員長が激怒したと報じられた。

 粉飾決算を続けていた期間に東芝では社長が3人交代したが、いずれも逮捕に至っていない。堀江貴文氏が、1度の粉飾で2年8カ月の実刑を受けたライブドアの事件と比べると、理解し難い話である。検察は何をやっているのか。

コメント20件コメント/レビュー

そうですよね。
田原さんの属するマスコミ業界なんかは他業界より仲間意識が一層強いところですものね。
隗より始めてはいかがですか。(2017/12/01 09:50)

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「「悪い」仲間意識が不祥事を生み日本を蝕む」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

そうですよね。
田原さんの属するマスコミ業界なんかは他業界より仲間意識が一層強いところですものね。
隗より始めてはいかがですか。(2017/12/01 09:50)

確かに無資源国家日本が戦後ここまで発展した原動力は、勤勉さと信頼性だと思う。

バック・トゥー・ザー・フューチャーで印象的なシーンがあった。
1955年に生きるドク・ブラウンが「やはり日本製はダメだな」と言うと、
未来から来た主人公が「日本製品の品質は世界一だよ」とやりかえす。
たった30年でそれだけの信頼を得ていた。あの映画から30年後、
また日本製はダメ、との烙印を押されないよう、全産業界がエリを正すべきと思う。

神戸製鋼や日産は、つきなみな言葉ではあるが氷山の一角かも知れない。

日本的な国民社会主義、または会社社会民主主義が、富を独占することへの嫌悪と、
人を騙すことへの後ろめたさで成り立っていることを、国民が自覚して
「信頼できる日本」を取り戻すべきだろう。(2017/12/01 09:41)

東芝の事件に対して、「粉飾決算」という言葉を使わず、「不適切会計」という言葉が利用されていた点についての批判については完全に同意します。
ただし、「不正は、役員が見ればすぐに分かる」「監査法人なら見破れる」というのは、働いたことが無い方の意見ですね。
東芝ぐらいの母体になると、全体を把握できる人はいないでしょうし抽出された情報だけで判断することは殆ど不可能に近いことです。不正の原因となった「チャレンジ」を批判すべきではないですかね。
また、「神戸製鋼や三菱マテリアルによる検査データの改ざん」についても同様に、低コストで過剰な高品質を求め続けた(実際の品質には問題が無かったことからも)結果、発覚したという構造について批判すべきかと…
田原さんが仰る、「空気」も要因の一つかもしれませんが、それ以上に、100km/hで走っても問題ない道路の速度制限が40km/hになっていても、そちらの方が安全という理由で、実際にはみんな80km/hで走っている(そして、たまにネズミ取りが行われる)ような状況です。
この時、みんなが、80km/hで走っていることや、チャレンジの結果、嵩上げした成績を報告する(させられる)ことが「空気」なんだと思いますよ。
ちなみに、森友・加計問題は火のないところに煙を立てているだけなので、むしろマスコミがこの問題を課題に取り上げていること自体が「空気」であると、視聴者の多くが感じている点でしょう。
徹底検証「森友・加計事件」を記した小川榮太郎氏に対して、朝日新聞が言論の自由に悖るような行動をとっていることを批判されてはいかがですか?
田原さんは、自分自身も「空気」の中で生きていることに気が付いて自省されたうえで、問題提起されるべきだと思いますよ。
まぁ、個人的には「空気」も必要だと思う次第です。(2017/12/01 09:39)

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