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誠と凛
誠は、ホテルの部屋の窓辺に立って、月を眺めていた。
背後からは、宮部の平和ないびきが聞こえてくる。
「時をも超える、神の与えた道.....」
きっと、それは嘘ではないだろう。
例えこれが、夢で聞いた言葉だとしても、笑い飛ばす気にはなれない。
なぜならこれは、誠ではなく、沖田がイザナギに聞いた言葉なのだから。
「沖田さんは、私にあとを託してくれた...。」
目を閉じると、最後に抱き締めた浅葱の天女の柔らかな感触が、まざまざと思い出せるようだった。
「見つけないと...凛さんが...。でも、どうしたらいい...?」
考え込むように頭を抱えると、ジーンズの後ろポケットに入れていたスマホが、小さく震えだした。
長い振動。着信のようだ。
まだ陽も上がらない午前四時前だと言うのに、こんな時間に、堂々と電話を寄越す人間に心当たりがある。
「もしもし。」
やっぱりな。と、思いながら、背後で眠る宮部を起こさぬように、なるべく小さな声で応答した。
『おう、誠。』
「おう。じゃないですよ。今何時だと思ってるんですか、先輩!」
電話は、予想通り湯山からだった。
『今日が最終日だろ?探し人は見つかったのか心配になってな。』
「...どうして、それを?」
ドキリとした。
誠は、湯山に『自分の前世は沖田総司かも知れない』とは言ったが、『探している女性がいる』とは言っていない。
『さぁな、何でだろうな?』
受話器の向こうで、湯山がクスクスと笑っている。
「先輩...?」
湯山の次の言葉を考えると、誠の鼓動が煩く高鳴り始めた。
『なぁ、誠。どうやら俺たちの絆とやらは、例の三人より上らしい。』
いよいよ、鳥肌が立った。
即ちそれは、つまり...
「...土方...さん?」
『気付くのが遅ぇんだよ。』
『ちっ!』 と、湯山の舌打ちが聞こえた。
彼はきっと今、照れた顔で笑っているに違いない。
その顔を見ると、何故かいつもとても懐かしく思っていた。
「すごいっ!すごいですね!こんな偶──」
偶然では無いな。と、誠は笑った。
どうやら、人の命というものは、いつも同じ周回軌道上にあるらしい。
『必然、っていうんだろうな。こういうのを。』
「そうでしょうね。きっとそうだ!先輩にも、出会う前から会いたかったですよ。多分。」
『んだよ、その「ついでに」みてぇな言い方は!』
言葉は相変わらず荒っぽいが、満更でもないという様子で、湯山は豪快に笑った。
『ついでと言えば、この際だから言わせてもらうが、俺はあいつに、ある使命を託したんだ。思えばあれは、俺なりの願掛けだったんだ。だが、知っての通り、俺はそれが果たされたのかどうか知らねぇ。』
「あいつって...まさか、凛さんのことですか?」
『他に誰がいるんだよ?』
「知っていたなら教えてくれたら良いのに...。」
思わず、誠は口を尖らせた。
『俺だって、思い出したのは最近なんだよ。それに、それは俺の試練の範疇じゃねぇ。』
「...なるほど。」
湯山が『試練』と口にして、より彼の言っていることが現実味を帯びた。
『どうせ、なんの手がかりもなくて困ってたんだろ?』
「お察しの通りです。」
やっぱりな。と、湯山が笑う。
『じゃあ、俺の使命とやらが役に立つかも知んねぇな。俺は京都に行くように頼んだんだから。』
「京都!?」
思わず、声量が大きくなって、背後の布団がもぞもぞと動いた。
「京都のどこですか?」
もう一度、ヒソヒソ声に戻して尋ねる。
『それが、お前の試練だろ?あとは自分で調べな。』
「そんなぁ!」
そう言えば、この男は今も昔もこういう人間だったと、誠はガックリと肩を落とした。
『まぁしかし、便利な時代だよ。グーグル先生様は、何でもご存知だぜ?』
そして、助け舟を忘れないのも、今も昔も変わらない。
「そうか、何で今まで気付かなかったんだろう!先輩!ありがとうございます!!」
過去の記憶に触れたいばかりに、既存の情報に目を向けていなかったことに、今更ながら気が付いた。
『おう。健闘を祈ってるぜ。』
湯山は最後にそう言い残し、いつもの如く彼の方から電話を切った。
要件だけ述べて、「はい、さよなら。」なところも、現世に持ってきたようだ。
誠は手当り次第、沖田総司に関する事を検索した。
『沖田総司 恋人』で、検索をかけた時、目に飛び込んで来た文字を見て、思わず宮部を振り返った。
「光縁寺じゃないですか...宮部くん。」
宮部は旅の序盤で、沖田の墓へ行った折、隣の墓石が沖田の縁者の墓だと言った。
ところが、ネットには「光縁寺にある」とはっきりと書かれている。
「行かなきゃ...。」
いつの間にか月も消え、空が白み始めている。
誠は、鞄の中から凛の手紙を取り出し、それを一読すると小さく折りたたんで、スマホと共に後ろポケットに詰め込んだ。
そして、すぐにサイドテーブルの上にあるメモ帳に宮部に宛てて走り書きで書き置きを残し、夜明け間近の京都の街を駆け出して行った。
夏の日の出は早くとも、街はまだ、眠りの中だ。
気持ちはどんなに焦っても、交通機関はまだ何も動いていない。
走るしかない。
逸る気持ちを原動力に、ひたすら走るしかない。
誠は、必死に走った。
彼女を幕末の世へ呼んだのが沖田なら、この平成の世へ呼び戻すのは、自分なのだから。
地図が無くても走れる。
沖田が覚えている。
景観は随分と変わってしまったが、碁盤の目のような京の道は変わらない。
街のあちこちに、彼女との思い出が溢れている。
木屋町の池田屋で、彼女が本当に菩薩様のように見えたこと。
鴨川で、初めての激情に任せて、彼女を胸に抱きしめたこと。
東本願寺で、炎に包まれる彼女をみて、胸が張り裂けそうなくらいの恐怖に包まれたこと。
西本願寺の近くに、玄斎の診療所があったこと。
あの小高い丘は、もう無くなってしまったけど、それでも、思い出は消えない。
思い出すと、涙が勝手に溢れてくる。
初めて一夜を過ごした、あの島原での夜に、意地を張らずに彼女を自分のものにしておけばよかった。
もっと、手を繋げばよかった。
もっと、彼女を抱き締めればよかった。
もっと、愛してると言ってあげればよかった。
もっと...
もっと.......
誠の脳内に、先ほど読んだ凛の手紙が、まるで自動再生のように繰り返される。
可愛らしい丸文字は、ほとんどが滲んでいた。
泣き虫の彼女が、泣かずにあんな手紙をかけるはずがない。
『沖田さんへ
お元気ですか?
きっと、あなたがこの手紙を読むことはないのでしょうが、それでもあなたが、空の上でいつもの優しさに溢れた笑顔で笑っていてくれることを願わずにはいられません。
沖田さん、私は本当に、本当にあなたの事を愛しています。
心の底の、底まで、あなたへの愛でいっぱいです。
上手く言葉に出来ないから、あなたに私の心を開いて見せたいくらい、そのくらい、あなたのことだらけです。
できることなら、このままずっとあなたと一緒にいたい。
あなたを死なせたくない。
今はただ、死に向かうあなたを救えない自分の無力さが、堪らなく悔しくて、悲しい...
未来へあなたを連れていく術があればと、何度も何度もそう思ってきました。
だけど、あなたはそれを望まなかったでしょう?
だって、あなたは本当に最高の武士だから。
だから、私もあなたの、武士としての沖田総司を最期まで見届けることに決めました。
それがきっと、私がここへ来た理由です。
だけど、だけどね、沖田さん。
私は多分、そんなに強い人間じゃない。
あなた亡き後、きっと私はこの世界で生きていくことに耐えられないでしょう。
あなたを追いかけてしまうことを、どうか許してください。
涼川 凛』
「凛さん.....っ!」
徐々に上がり始めた呼吸の合間に、力強く名前を呼んだ。
そんなに長くはない手紙は、彼女の沖田への愛と、覚悟と決意に溢れている。
「急げっ!!急がないとっ!」
誠は叫んだ。
彼女をまた長い眠りに就かせる訳にはいかない。
何とかして、彼女に、死を選んだ先は闇しかないのだと、教えたい。
何とかして、貴女と私の未来は、『平成の世』にあるのだと伝えたい。
間もなく、光縁寺に着く。
散々走り続けた足は、鉛のように重く、胸のポンプは、はち切れそうにドクドクと鳴り響いている。
綾小路通りの、最後の辻が目に入ってきて、誠は後ろポケットからスマホを取り出し、凛のツイートを開いた。
「どうか、凛さんに届きますようにっ!」
そして、祈るように文字を打ち込む。
この先の辻に、ずっと探し続けていた、浅葱色の背中がある事を願って。
誠は最後の辻を曲がった。
─
───
凛が、京都へ辿り着いたのは、横浜を出て三日目の夜だった。
伏見の旅籠屋で一夜を明かした凛は、迷うことなく浅葱色の着物に袖を通した。
それが例え、夏物の着物であったとしても、これから行く先に、何となく沖田も付いてきてくれるような気がしたし、彼の元へ行くなら、生前に彼が喜んでくれた姿で会いたかった。
「...行こう。」
凛は、旅籠屋の前で大きく息を吸い込んだ。
京都の朝は寒い。
身体を芯から冷やすような、京都の空気が何だかとても懐かしくて、それだけで涙が出そうだった。
凛は懐に大切に閉まっていた、和紙の包を取り出して、それを開いた。
中には、近藤、土方、沖田が愛用していた下緒と共に、三国志の『桃園の誓い』の一文と、『これを山南さんの元へ届けてくれ』という、土方の最後の使命が和紙の内側に染み込んでいた。
土方は、最後まで『ハナタレ娘』の尻を叩いてくれた。
これだけの想いを託されて、腰を上げずにいられない訳がなかった。
「土方さん、必ず果たします。...沖田さん、約束を放棄しそうになって、ごめんなさい。...私、行くから。」
凛は、包をしっかりと懐にしまい込み、約束の地、光縁寺へ向けてゆっくりと歩み始めた。
京の市中へ足を踏み入れると、嫌でも涙が溢れ出てきた。
彼女の恐れていた通りだった。
街のあちこちに、沖田との足跡が残っている。
どの景色にも、彼の面影を探し出すことが出来るのに、もう、彼には触れられない。
声を聞くことも、あの優しくて、透き通るような顔で微笑みかけて貰えることも、もう無い。
彼はもういないのだから...。
沖田のいない街の景色は、地獄のようだった。
鮮やかな思い出が、首を絞めてくるようで、息をするのも苦しいくらいだった。
それなのに、どうしても、凛は沖田の面影を探してしまう。
今は、一刻も早く光縁寺に行くべきだと、頭ではわかっているのに、それでも足は勝手に進んだ。
茶屋に、丘に、あの先の辻に、お寺の境内に、鴨川の畔に.....
街の至る所に、沖田との思い出が詰まっていた。
「.....何やってんだろ.....私.....。」
散々歩き回って、気が付くと鴨川まで来ていた凛は、川の畔に佇んで、自嘲気味に笑った。
「分かってる.....分かってるよ.....」
誰もいない川原で、凛は誰に言うでも無く呟いて、薄らと雪が積もった川辺の石を、一つ、二つと積み上げ始めた。
「もう分かってるでしょ.....沖田さんは、もう居ないの.....。」
三つ目の石を積む。
言葉にすればする程、息が止まりそうだった。
「でも...っ」
石の山が、ガラガラと音を立てて無惨に崩れた。
「...確かに、確かにここに居たの.....。ここで、初めて私を.....抱き締めてくれたのっ!」
目を閉じれば、それは昨日のことのようなのに...
「...ひどい顔.....。」
絶望に膝を折られて、手を付くと、水面にはボロボロの自分の泣き顔が映り込んでいた。
「...でも、仕方ないよね。」
凛は、ゆっくりと手を伸ばした。
水面に写る泣いている人を、慰めるのは自分しかいない。
「...会いたいんだもん...。..会いたい.....すごく...会いたい.....会いたいよぉっ!!.......沖田さんっ!!」
零れた涙が、水面に吸い込まれ、波紋を広げていく。
今は、何となくそれが心地よかった。
どんどん、どんどんこの波紋が広がっていけばいい。
川の水が、全部悲しみで澱んでしまえばいい。
涙が枯れてしまえば、少しは楽になれるだろうか.....。
遠くで、魚が跳ねる音がして、凛は顔を上げた。
「...え?」
顔を上げた先に映っているものに、思わず声が漏れた。
「...沖田.....さん?」
幻でも、見ているのだろうか?
とても心配したような、悲しげな表情を浮かべて、その人は凛を見つめているようだった。
「沖田さん...っ!」
凛はすかさず手を伸ばした。
しかし、それはすぐに消え、元の陽の光を反射するだけの水面に戻ってしまった。
やはり、幻だったのだろうか...
もし、そうだとしたら、今のは彼を求めるが故の、凛の妄想だったのか.....
それとも.....
「沖田さんが...呼んでる...。」
凛は、自分を奮い立たせるようにして立ち上がった。
今のはきっと、自分のことを心配した沖田が、励ましてくれたのだと、そう思いたかった。
「待っててね…沖田さんっ!」
光縁寺へ来たのは、約一年ぶりだった。
去年の十二月にここを訪れて、沖田から託された手紙を埋めた。
あの日も、凛は絶望に苛まれていた。
しかし、今は、あの日の絶望すらも愛おしい。
「...山南さん...随分と不義理をしてしまいましたね。.....話したいことが、いっぱいあります.....。」
凛は、静かに山南の墓石に手を合わせた。
彼もきっと、新選組の行く末を気にしているに違いない。
「...近藤先生と、沖田さんには...会えましたか.....?」
そして、ゆっくりと土方から授かった包を開ける。
「...土方...さん...が、持って行けって.....、山南さんに...届けろって...行ったから...。」
凛は勝手に零れてくる涙を拭って、墓石の横を見た。
「...約束も、ありますから...沖田さんとの...。...だけど、ひどいですよね...私...ここへ来るのを拒んでいました。...手紙を見るのが...怖かった。...もう居ないんだって、嫌でも...思い知らされる。.....でも、いい加減、受け入れないと...。」
そして、ゆっくりと手で小石を払い、露になった土を掘り始めた。
懐かしいご住職の顔も見たいとも思ったが、今日は声を掛けなかった。
勝手に掘らせてもらうのも気が引けたが、もう、手は止まらない。
ここで止める訳にはいかない。
おかしな話だが、一度でも手を止めたら、もう二度と、沖田に会えないような気がした。
「.....あった.....。」
凛の手が、木箱に触れた。
手が震える。
見るのが怖い。
それでも、蓋を開けた。
目を逸らすわけにはいかない。
「...沖田さん。」
『お凛さん江』と書かれた手紙を胸に抱き締めると、これまで以上に涙が溢れてきた。
彼が触れた紙。
彼が書いた文字。
紛うことなき、彼が生きていた証。
凛は、手紙を開いた。
『お凛さん江
来てくれてありがとう。
ここに来るまで、きっとまた私は貴女をたくさん泣かせてしまったのでしょうね。
本当に、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
お凛さん、本当にごめんなさい。
どうか先に謝らせて下さいね。
だけど、もう泣かなくて大丈夫ですよ。
私はずっと貴女のそばに居ます。
今も、その先も。
貴女は、私の生涯の恋人でした。
それは、来世でも変わることはないでしょう。
次こそ貴女を幸せにしてみせます。
だからどうか怖がらないで、私の声を聞いてください。
貴女を呼ぶ声が聞こえるはずです。
聞こえたら、手を伸ばして下さい。
私が必ず、貴女を迎えに行きますから。
未来で、貴女を待っています。
沖田総司 藤原房良 』
「.......。」
何も、言えない。
かつてこれほどまでに、愛に溢れた手紙を貰ったことなど、あっただろうか?
あるはずが無い。
凛にとって、これが、 初めての恋人からの手紙なのだから。
「...沖...田さん.....ううん.....総司さ.....ん.....」
会いたい。
会いたい。
会いたい。
そればかりが、胸の中を支配していく。
「どうしたら...会えるの...?.....どこにいるの.....?」
沖田は来世でも必ずと言ってくれていたようだった。
しかし、やはり凛には、それがどこなのかが分からない。
「...会いたいよ.....。」
とにかく、同じところへ行きたい。
今すぐにでも、例え行く先が地獄であっても、沖田のいる場所へ、行きたくて堪らない。
「...もう、いいでしょう?....土方さんの...使命も果たしました.....。」
これで、思い残すことは何も無い。
「...総司さん...、迎えに...来てね?」
凛は、無造作に纏められていた髪から、乙女色の簪を抜き取った。
長い黒髪が、ハラハラと肩に散らばっていく。
「今...会いに行くから.....。」
簪の先を、喉に突き立てた。
「何してはんのっ!!」
突然、女性の叫び声と共に、身体が後ろに引かれ、凛の手から、簪が転げ落ちた。
「止めないでっ!!」
後ろから羽交い締めにしようとしてくる女性の腕を振りほどき、簪を取ろうとして、その女性と目が合った。
目が合ったその女性は、心底驚いたという様子で、目を見開いている。
「...お凛...ちゃん...?」
凛も目を見開いた。
「...あ...明里...さん...?」
間違いない。
明里だった。
「何をしてはるの...、お凛ちゃん!」
明里は、持っていた桶と花を放り投げて、凛の身体を抱き締めた。
「こんなに痩せてしもうて...一体...一体何がこんなにもお凛ちゃんを苦しめてはんの...?」
明里は、凛を強く抱き締めるなり、大粒の涙を流し始めた。
「...あ...あけ.....さと...さ.......」
懐かしい彼女の腕に抱かれて、凛は押し殺していた感謝を吐き出すように声を上げて泣いた。
「お凛ちゃん...可哀想に...。ほんまに、可哀想になぁ...。」
明里は、子供のように泣きじゃくる凛を、只々抱き締めて、その背中をさすり続けた。
聞かずとも分かる。
彼女の胸の、癒えることのない古傷が、凛の泣き声に反応するようにズキズキと痛んでいる。
「...明里さん...ごめんなさい...。」
泣き尽くした頃、ようやく凛は話せるくらいまで落ち着きを取り戻した。
とにかくまずは明里に謝りたかった。
あの時、自分は彼女を止めたくせに、自分だけ、死ぬほどの辛さから逃れようとした事が、心から申し訳なかった。
「...沖田はん...逝ってしもたん...?」
明里は、気にしなくていいという様子で首を振ると、伏し目がちに尋ねた。
「...はい...。」
「...そう...。」
そして、山南の墓へ花を手向け、静かに手を合わせた。
「...きっと、山南はんがうちをここに呼んだんよ。」
目を開けた明里は、凛に向けて微笑んだ。
「...山南さんが...?」
「そう。昨日ね、夢に山南はんが出てきてくれたんよ。なぁんも言わんと、にっこり笑ってはってね、それ見てたら、何やどうしても山南はんに会いたなって、気付いたらここへ来てた…。」
不思議な話やろ?と、笑う彼女の顔は少し悲しげだった。
彼女もまだ、戦っているんだと、凛は思った。
それなのに、自分は.....
「お凛ちゃん。」
俯いた凛の肩を、優しく叩いた。
顔を上げると、優しく光る、明里の目と目が合った。
そして、彼女は、そのままの少し悲しげな笑顔で、
「死にたい?」
と、問うた。
声が、驚く程に優しい。
まるで、凛の全てを許してくれているようだった。
「.....。」
凛は、無言で小さく頷いた。
許されるなら。
それしか、愛する人の元へ行く方法が見つからない。
「そう。ほんなら、うちが殺したげる。」
明里は、凛を抱き締めた。
その手には、護身用の懐刀が握られている。
「うちが、この手で。」
そして、ゆっくりと、懐刀の鞘を外していく。
凛は、明里に身を任せるように、身体中から力を抜くと、静かに目を閉じた。
これで、楽になれる。
彼のいない地獄のような世界で生きていくなんて、もう限界だった。
恐怖なんて、感じない。
「すぐ、終わらせたげるさかい...。」
ひんやりとした刀の感触が、凛の項を撫でた。
──ざくっ
明里は、一思いに斬った。
筈なのに、痛みを感じない。
あまりにも一瞬の事だったから、痛みすら感じなかったのだろうか?
もう、自分は死んだんだろうか?
凛は、薄らと目を開けた。
「...え.....?」
視界の先には、明里が立っている。
「明里さん.....どうして...?」
項に触れる。
血も出ていない。
「うちは、ちゃんと殺したよ。」
明里は、手に握っているものを、凛の前に突き出した。
真っ黒で、艶のある、凛の髪。
「なんでっ...?...私...生きてるよっ?...なんで──」
「髪は、女の命や!」
狼狽える凛に、明里がピシャリと言い放った。
そして、彼女は、もう一度強く、強く凛を抱き締めた。
「ここで死んだらあかんよ!...お凛ちゃん、言うてたやない!...未来から来たんやって、うちに教えてくれたやない!せやから、ここで死んだらあかん!帰らなあかんの!!」
諭すように、凛の肩を強く掴んで、心に訴えた。
「でも、帰れないものっ!どうやって帰ったらいいか!わかんないもん!!」
凛はそんな無理難題を突きつける明里に食い下がった。
「山南はんはっ──!!」
普段は淑やかな明里からは信じられないくらいの声量に、凛は一瞬、その身を引いた。
「──山南はんは、うちに来世でまたって言うてくれた。うちは、それを信じて、それを糧にして、一日一日山南はんに近付いてるんや思って生きてる!...きっと、きっと次の世で待っててくれてるって、信じてる!沖田はんも、同じやないん?必ず次の世でって、そう言うてくれたんやない?」
次第に、また元の優しい声に戻っていく。
「...言って...くれた...。」
凛は嗚咽と共に頷いた。
「そやったら、何で信じてあげへんの?」
「信じたいっ!...信じたいけど...っ!私には、何処が来世か分からないもんっ!...私はこの時代の人間じゃないっ!」
「わかってるやん。お凛ちゃん。」
明里は、優しく凛を包み込んだ。
「お凛ちゃんは、未来からきたんや。...そやったら、そこで、沖田はんが待っててくれとるんと違う?」
目の前の霞が、一気に晴れていくような気がした。
「私の時代に...総司さんが.....」
考えたこともなかった。
いつの間にか、自分はこの時代の人間なんだと思い込むことで、未来から来たことが嘘だと思い込んでいたような気さえする。
「そや、お凛ちゃんの帰る場所に、沖田はんが待っててくれるんやったら、どう思う?」
明里は、子どもを宥めるような優しい声で尋ねた。
「...か...えり...たい...。」
そこで、彼が待っていてくれるなら、すぐにでも。
「帰りたいっ!!」
ヴーーーーっ!!
凛が叫ぶと同時に、彼女の風呂敷の中で、何かが震えた。
「...うそ、何で.....」
凛は風呂敷の中からその正体を取り上げた。
「もう、電源も入らなかったのに.....」
明里も、驚きに目を丸くしながら、その不思議な薄い箱のようなものを見た。
「それ、未来のもん?」
「...はい。...スマートフォンって...言うんです...。けど.....なんで...」
液晶画面が、凛の涙で滲んでいく。
ツイッターの自分のコメントに、メッセージが入っている。
あの日、丘の上で誰かに答えを求めた、あのツイートに。
「...嘘...。..総司...さん...?」
『未来で、待っています。平成の沖田総司より』
驚くことに、日付は二〇一七年七月十九日となっている。
「繋がるはず...無いのに...。」
力なく垂らした凛の手から、スマホが落ちた。
信じていいのか、怖かった。
呆然としている凛の代わりに、明里がそれを拾い上げた。
そして、彼女は煌々と光る液晶を恐る恐る覗き込んだ。
「これって...」
文字だ。
初めて目にする、未来の文字。
変わった書体だが、読めないことは無かった。
「お凛ちゃんっ!沖田はんやっ!...待っててくれてるんやない!」
「でも...そんなこと...ありえない.....」
「じゃあ、今起こってることはどうやって説明する気なん?うちからしたら、お凛ちゃんがこうしてここへやって来たいうことだけでも、奇跡やわっ!」
明里の言葉に、ハッとした。
大切なことを忘れていたような気がする。
もうすでに、自分は『ありえないこと』を引き起こしていたのだ。
「確か、ここに.....」
凛は風呂敷の中を探り、今は沖田の形見となったあの手鏡を取った。
「ほら...いかな。」
そこに映り込んでいた人物を見て、明里は凛の肩に手を添えて、優しく囁いた。
「うん.....明里さん...ありがとう.....私...」
今なら、帰れそうな気がする。
「大丈夫。...きっと、大丈夫や。」
凛は、鏡に映る愛しい人に似た誰かを見つめた。
間違いない。
これは、生まれ変わった彼の姿だ。
何の疑いもなく、信じることが出来る。
「だって...こんなにも愛おしい。」
凛は、鏡にキスをした。
未来で待つ、愛する人の胸に帰ることを、心から願って。
「.....消えた.....。」
明里は、たった今目の前で起こった出来事に、腰を抜かして、その場に座り込んでしまった。
凛は、消えた。
鏡から現れた、眩い光に吸い込まれるように。
「...夢?」
自分の頬を抓ろうとして、右手を上げた。
「...やっぱり、夢やない。」
その手には、凛の髪の束が握られている。
「どうか、なさいましたか?」
座り込んで呆然としていた明里の後ろから、住職の声が響いてきて、彼女はゆっくりとそちらを見た。
「あんな、ご住職はん...どうしても、ここに眠らせてあげたい子がおるんです。」
と、山南の墓石の隣りを指した。
掘り返された土のあと、和紙に包まれた三本の下緒、そして、明里が手に持っている髪の束。
それらを見ると住職は「よろしゅうおすよ。」と、静かに頷いた。
「大したお墓は用意出来へんけど、後日用意しましょうね。」
明里が持っていたものを全て地に戻したあと、住職はそう言って微笑んでくれた。
「おおきに。ご住職はん。」
明里も、しずしずと頭を下げ、礼を述べた。
「そうどすな.....」
住職は懐から台帳を取り出した。
「なんですのん?」
「仏さんが、どなたかを記しとかなあきまへんのんや。」
にっこりと、住職は微笑んで、明里に仏が誰かを尋ねることなく、筆を滑らせ
『沖田家縁者』と書き記した。
「ほんに、恩に着ます。」
それを見て、胸がいっぱいになった明里は、大粒の涙を流しながら深々と頭を下げた。
「いえ、かましまへんえ。」
そして、二人は目を閉じて、静かに手を合わせた。
明里は、願った。
凛が無事に未来へ帰れるように。
待ってくれている人の元へ行けるように。
そして、どうか自分も、来世で待ってくれている愛する人の元へ行けるように。
「にゃ~ん」
どこからともなく、猫の鳴く声が聞こえて、明里は後ろを振り返った。
「かいらしい猫はんや。」
おいで。と、呼べば、口に鏡を咥えた猫は明里の方へ一目散に駆け寄ってきた。
「真っ白なのに、尻尾の先だけ茶色で...みたらし団子みたいやね!」
「ほんまですね。」
明里が、そう言って猫を抱き上げると、住職もニッコリと目を細めた。
「明里はん、知ってはりますか?」
「なんです?」
明里が尋ねると、住職は笑みを更に深くして
「魂の邂逅は、いつも必然なんです。強く求め合うことで、その魂は互いに呼び合い、引き合い、次の世でも寄り添うんです。心清らかで、強き魂の持ち主は、時としてその記憶をそのままにして、次の世に生まれ落ちるんやと。」
明里の目元から、涙が次々と溢れ出した。
報われる気がする。
きっと、待っていてくれる気がする。
そして、住職はそんな彼女の肩に手を添えて、優しい声で
「これは、うちの父が言ってはった言葉で、ほんまに不思議なことなんやけど、猫はんから聞いた話なんやと。真っ白で、尻尾の先だけが茶色い、かいらしい猫はんが、父の夢枕に立って、そう教えて言ったんやと。」
その猫はんに、よう似てはりますな。と、笑った。
「ほんなら、この子、大切にせんなりまへんね。」
明里は、笑いながら猫に頬をすり寄せた。
「にゃ~ん!」
猫は、返事をするように一鳴きすると、慰めるように明里の涙を舐めとった。
「くすぐったくて、かなわんなぁ。...ほんならまた、次の命日に来させて貰います。」
明里は、住職に深々と頭を下げて光縁寺を出ていった。
真っ白で、尻尾の先だけが茶色い、手鏡を咥えたままの、みたらし団子のような猫を抱えて...。
─
──
「.....見つけた....。間違いない...。」
誠は、足を止めた。
最後の辻を曲がったところに、彼女は居た。
光縁寺の門の前で、蹲って、小さく震える浅葱色の背中に、掛けるべき言葉は、もう、決まっている。
静かに、ゆっくりと深い呼吸を何度か繰り返して、息を整えると、一歩ずつ、一歩ずつ、会いたくて、抱き締めたくて堪らなかった背中に近づいていった。
「...........。」
凛は、混乱していた。
何だか随分と、長い夢を見ていたような気がする。
どうしてこんなにも悲しいのか、どうしてこんなにも嬉しいのか、まるで分からなくて、只々勝手に溢れてくる涙に震えていた。
何故だろう。
胸に大きな穴が空いたような気がしてならなかった。
とても、とても大切な宝物のような何かを、忘れてしまっているような気がする...。
でも、何を...?
スマホがない。...鞄は手の中にあるのに。
どこに落としてしまったのだろうか...
でも、一体どこで?
京都へ旅行に来たことは覚えている。
西本願寺に行って、島原の大門を見て、壬生寺に行って.......
その後は...?
私は、今まで何をしていたんだろう...?
どうしてこんなにも、胸の奥が、ズキズキと痛むんだろう...。
「思い...出せない...。」
得体の知れない恐怖と喪失感に、凛の肩が震えた。
分からない。
自分の気持ちが、分からない。
どうしようもなく悲しいのに、悲しみの底から、ふつふつと湧き上がる、この期待感はなんだろう...?
(.....誰?)
記憶の端っこで、ぼんやりと誰かの微笑む顔が見え、凛はその朧気な輪郭の誰かに必死に呼びかけた。
(お願い.....)
思い出したい。
春の日差しのような、温かな微笑みの誰か。
しかし、記憶の中のその人は、凛の方を振り返ってすぐに霞の中へ消えた。
「...思い出せないよ.....。」
記憶喪失なんて、初めての体験だった。
今のが一体誰の記憶なのかも、不思議でならない。
しかし、説明のしようがないこの喪失感は、まるでそれが、借り物の記憶ではないことを物語っているようだった。
ただ、どうしても『誰か』に会いたい。
どうしようもなく、会いたい。
自分の心が、身体が、細胞の一つ一つが、勝手に叫んでいる。
「...会いたい...。」
「...迷子ですか?」
突然、背中から声を掛けられた。
得体の知れない渇望を癒してくれたのは、とても涼やかな声だった。
澄んだ川の水の流れのように涼やかでありながら、どこかあどけなさを残した、優しい声だった。
凛はゆっくりとその声の主を振り返ると、我が目を疑った。
「ウソ......。」
そこには、すらりとした背の高い男性が登ったばかりの朝日に照らされて、人好きのする優しい笑顔で、凛に手を差し出していた。
「沖田...さん?」
何故そう思ったかはわからない。しかし、そうだと何故か自信があって、気づけば声に出していた。
「...不思議ですね。随分と昔に、そう呼ばれていたような気がします。」
男性は、少しいたずらっぽくそう言って、にっこりと微笑んだ。
「...あ.......。」
その笑顔と、記憶の中の『誰か』の顔が重なって見え、どうしようもない愛しさが涙に形を変えて、凛の頬に一本の筋を描いた。
「あ...そうだ...。」
男性は、ジーンズのポケットからハンカチを取り出すと、凛の涙を優しく拭った。
その途端に、とてつもない懐かしさが凛を包み込んでいく。
前にもこんなことがあったような気がして、
「あの.....」
と、その男性に、呼びかけた。
「...はい、これ。」
どこかであったことありましたか?と、聞こうとして、目の前に差し出された薄紅色のハンカチを見て、思わず口をつぐんだ。
「このハンカチ...私の。」
男性の手が、凛の手を取った。
掌に竹刀ダコこそあれど、とても男性とは思えないほど、ほっそりとした優しい手だと凛は思った。
「あ.....あの、私っ...凛、...涼川凛といいます。.....あなたは...?」
その手の温もりが心地よくもあり、やっぱりどうしても気恥ずかしくて、凛はとっさに自分の名を明かし、彼にもそれを求めた。
すると、彼はまた、やんわりと微笑んで、
「平成の沖田総司...じゃなかった。藤原誠といいます。」
と、凛の手を包む手に、少し力を込めた。
「沖田総司、好きなんですか?」
凛の様子から、もしかするとタイムスリップしていた記憶が無いのではないかと思い、誠は冗談交じりに聞いてみた。
「...大好きです。」
一呼吸置いて答えた凛の頬は、ハンカチよりも紅く染まっていて、とても可愛らしかった。
例え彼女に自分と過ごした記憶がなくても、その顔を見れるだけで満足だと思えた。
「貴女を、ずっと、ずっと探していました。」
誠は、凛の手のひらにハンカチを握らせながら、愛しさを爆発させるように言った。
「...すみませんでした.....、随分と、ご迷惑をお掛けしたみたいで...。」
凛は、そこまで気持ちを込めてそう言ってくれるほどに、拾ったハンカチ一枚を届けるために散々自分を探し回ってくれたであろう、この親切な男性に深々と頭を下げた。
どうやら、今世の彼らも、色々と不器用らしい。
しかし、凛には確信があった。
(私はきっと、出会う前から、この人に会いたかった。)
「ここではなんですし、良かったら一緒にどこかで朝食でもどうですか?。」
そう言って手を差し伸べてくれる彼が、こんなにも愛おしいのだから。
凛と誠が、感動の再会とも言える出会いを果たした頃、宮部は不思議な夢から目覚めた。
まるで、医師にでもなって、武士のような人々と戦場を駆け回っている夢だった。
「あー、ぜってぇ誠のせいだ!」
宮部は頭をわしゃわしゃと掻くと、ベッドサイドに置かれていた書き置きを発見し、手に取った。
「おいおい、冗談やめてくれよー!!」
書置きの宛名はこうだ。
『宮部法眼へ。』
どうやら、人の命というものは、同じ周回軌道上にあるらしい。
そう、もしかしたら、あなたも。
完
あとがきを書くにあたり、まず、『故あって、幕末なう。』を最後までご覧下さった皆様に、心からの感謝を申し上げます。
生まれて初めての長編小説。
そして、その題材に選んだのは、まさかの歴史。
しかしながら、新選組の大ファンの私としては、それが必然だったのかも知れません。
さて、この物語は、一人の新選組オタクの女の子が、これまた大好きな沖田総司のもとへタイムスリップして、そこで色々あって、ウンヌンカンヌン...以下略。するお話です。
一見すると、単なる恋愛小説ともとれますが、私としては、『巡り合わせ』をテーマとして書いたものであります。
そもそも、私がこれを書き出したきっかけは、まさかの夫婦喧嘩にあったのです!笑
『ち...ちくしょー!この旦那めーーー!!!顔も見たくないわ!!!』と思うほどの喧嘩のあと、ふと、憤怒の熱も治まりつつあった時に、主人とまだ付き合いたての頃に、彼から頂いたお手紙を、わが子がどこからともなく持ってきたのです...。
それを見て、私、思い出したんですよ。
主人と私は、出会えるはずもないくらいの奇跡の上で出会ったんだったと。
私の出身は長崎です。高校卒業後、長崎から名古屋、名古屋からまた、長崎と転々としました。
そして、主人は広島。
共通の友達がいた訳ではありません。
なーんの接点もなかった。
はずなのに、出逢って、恋して、結ばれたわけです。
それを思い出すと同時に、私は付き合いたてによく思っていたことも思い出したんです。
『この人とは、出会う運命にあったんだろうなぁ。...あ、もしかしたら、前世でも一緒だったのかも...。』なんていうことを。
今思えば、『なーに恋に恋してます発言してやがんだ』とも思いますが(笑)
でも、『袖触り合うも多少の縁』という、ことわざにもありますように、必ず、どこかで誰かとの繋がりがあるんじゃないかなぁと思うのです。
人と、人との付き合い、それは神の見えざる手によって導かれた『巡り合わせ』なのかもしれないなぁ....と.....
沖田さんと誠くん、そしてお凛ちゃん...。彼ら三人のような...とは言いませんが私の過去にも、それに近いことがあったのかも知れない.....
もしかすると、あなたのパートナー、恋人、ご友人、はたまた会社の同僚、学校のクラスメイト...
そう、あなたの隣で今、笑っているその人。
その人とも、古くから回り続けている同じ周回軌道上を共に歩いてきたのかも知れませんね!
そして、このお話を通して『ネット』という媒体を通してではありますが、私と接点を持って下さったあなた様との『巡り合わせ』に心から感謝致します。
全てのご縁に、心からの感謝を込めて...
2017.11.2
山崎ニャル子
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