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清原の2本塁打をきっかけに、PL学園は息を吹き返した |
甲子園が生んだ最強のホームラン打者は誰かと問えば、文句なしに名が挙がるのが清原(大阪・PL学園)だろう。
1年生の夏から5季連続で甲子園に出場し、春4本、夏9本の計13本塁打。ちなみに2位はチームメイトの桑田と元木(大阪・上宮)の計6本。あのヤンキースの松井(石川・星陵)でさえ計4本だったのを考えれば、いかに清原がずば抜けていたかがわかる。
確かに清原の場合は、PLという常勝チームにいて出場試合数に恵まれていたし、5打席連続敬遠をくらった松井のように一人だけ徹底的にマークされるということもなかった。それでもここ一番の勝負強さも含めて圧倒的な存在感を見せつけた。
13本のうち、5本を打ったのが第67回大会。清原、3年生最後の夏の大会である。大阪大会でも5本塁打を放ち、絶好調で甲子園にやってきた。
29―7の記録的大勝となった2回戦の東海大山形戦は、本塁打こそなかったが、二塁打を含む2安打を放ち、自ら4番手投手としてマウンドにも立った。3回戦の津久見(大分)戦は敬遠気味の3四球とチャンスがなかった。
清原が本領を発揮するのはここからだ。準々決勝は好投手中山裕を擁する高知商。高知大会では、選抜大会準決勝で清原を3三振に仕留めた伊野商・渡辺を決勝で攻略した強豪だ。
4―2とリードして迎えた5回。清原は中山裕の球を軽々とすくい上げ、左翼席中段まで持っていった。この特大アーチで動揺した中山裕は続く桑田にも本塁打され、勝負は決まった。
準決勝は滋賀県勢として2度目のベスト4入りで波に乗る甲西。この試合でも清原のバットはうなった。5回、7回と連続打席本塁打。試合は15―2の圧勝だった。
ついに自身4度目となる決勝戦。相手の宇部商(山口)の注目は準決勝までの5試合で大会新記録となる4本塁打を放っていた藤井だった。
清原は闘志を燃やした。「高校生最後の試合だからどの打席でも力いっぱい振り切る」。
その思いが結実したのが第2、3打席だった。0―1とリードされた4回。宇部商・古谷の内角高めのシュートをライナーで左翼ラッキーゾーンに運んだ。
さらに圧巻だったのは6回だ。再び1点をリードされた苦しい場面で、清原は4番の意地を見せる。外角やや高めの直球。軽くミートしただけで打球はバックスクリーン左横中段まで飛んだ。藤井の大会記録を再び更新する5本目の本塁打だった。
実はこの試合、清原は歩くのも困難なほど右足ふくらはぎを痛めていたという。試合前にテープでグルグル巻きして痛みを抑えながら、チームが劣勢となっている場面で期待通りの一発を放つのだから恐れ入る。
この清原のアーチで再び追いついたPLは、9回松山の右中間安打でサヨナラ勝ちし、2年ぶり3度目の全国制覇を成し遂げた。最後の夏に4番清原が果たした役割はとてつもなく大きかった。