相続で「長男は自宅、次男は保険金」は危険 相続トラブル百科 第12回
人間誰しも、自分の死後のことについてはまったく未知で、具体的に予測するのは簡単ではありません。ですから相続に関して、本当は危うい状態であるにもかかわらず、「まぁ、大丈夫だろう」とか「そんなことはないんじゃないか」といった曖昧な状態で、なんとなく放置していることが珍しくありません。今回ご紹介するケースでも、そのような油断が危険な状態を招くことになりました。
郊外の住宅地に住む父親は、妻に先立たれたため、2人の息子のどちらかと同居することを考えていました。
父親「次男は転勤続きで落ち着かないし、嫁もきついから同居はありえんなあ。長男は生真面目で融通が利かんところもあるが、役所勤めで職場も近い。やっぱり、長男に来てもらうのが現実的かも知れん」
さっそく父親は長男と話をし、長男の家が手狭になってきていたタイミングも手伝って、長男夫婦は同居することに前向きな様子でした。
父親「無理強いするわけにもいかんが、同居してくれるなら、一筆書いて家の名義は将来お前に譲ると約束しておこう。いずれはお前たちのものになるのなら、お前の嫁さんも安心だろう」
長男「ありがたいけど、それで弟夫婦が納得するわけないよ。この先あいつらと揉め事になったりするなんてごめんだよ」
父親「心配するな、ちゃんと考えてあるから。俺が死んだら、まとまった額の保険金が入る。あいつには家の代わりに生命保険金を受け取れるようにすればいい」
長男「ありがたいけど、それで弟夫婦が納得するわけないよ。この先あいつらと揉め事になったりするなんてごめんだよ」
父親「心配するな、ちゃんと考えてあるから。俺が死んだら、まとまった額の保険金が入る。あいつには家の代わりに生命保険金を受け取れるようにすればいい」
……というわけで、父親は自宅を大幅に改装し、二世帯住宅にして長男一家と暮らしはじめました。そして、約束どおり自宅の名義を長男に移す旨の遺言書を作成したのです。これで将来は安泰と考えている父親ですが、はたして本当に大丈夫でしょうか?
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